セットネックタイプの作り方|マニュアル
セットネックの取り付け
1.ネックをボディに仮置してみます。ボディに入らない場合はネック側の干渉する部分を少しヤスリで削り調整します。鉛筆やチョークで、ボディと干渉している部分を探します。この時、ネックとボディのセット角度が変わらないようにします。ネックとボディはスカスカでは接着できませんし、ボンドを塗るのでキツすぎでも入りません。
体重をかけず、手でグッと押し込む程度にします。
2.ボディにブリッジを設置し、1弦と6弦を真っ直ぐになる程度に張ってみます。
・指板の端と弦の間隔を見てネックが真っ直ぐにセットできているか
・12フレット上の弦高を確認し、ブリッジで適正に調整(12f上で弦高が2mm程度にセット)できるか
を確認します。真っ直ぐセットできていない、弦高が調整範囲外である場合はネック側を削り調整します。ボディを押さえネックを自分側に引いたり、押したりすると多少調整が効く場合があります。横方向に少し隙間があったので、動画ではそのようにして調整しています。
3.ボディ側とネック側の接合部分にタイトボンドをタップリと塗ります。接着時にボンドがあふれるくらい塗りましょう。
4.ネックをギターボディの奥までしっかり差し込みます。ボンドが完全に乾くまで、クランプ等でがっちり固定します。この時にも1弦と6弦は軽く張っておいたままにし、クランプ固定の際にネックがずれたりしていないか確認しましょう。もう後には戻れませんので、とにかく慎重に行います!
5.接着の際に、余分な接着剤が溢れ出しますが、ウェットティッシュやぬれタオル等でキレイに拭き取ります。拭き残しがあると塗料やオイルフィニッシュのオイルがちゃんと乗りません。
通常、タイトボンドは数時間で固まりますが、念のため1日以上硬化を待ちます。
ネックの角度に気をつけましょう
ブリッジ、両端の弦のペグを仮付けし弦を張るか、弦の代わりにタコ糸等をペグとブリッジにセットしておくと、硬化時の弦高やセッティングがイメージできます。ネックが完全に乾くまでは、ネックや接合部分に強いチカラを加えないように気をつけましょう。
【必要なDIY工具】
- タイトボンド・・・セットネックの接着に使用します。エマルジョン系の強力な接着剤で、楽器に限らず、木材全般の接着に最適です。
- クランプ・・・セットネックの固定に使用します。布やゴムパット等を挟むと木材のキズ・凹み防止になります。少し大きめを選ぶと安定しやすい。できれば2~3本あるといいでしょう。最近は100円均一でも買えるかもしれません。
- 濡らした布やペーパータオル・・・溢れたボンドを拭き取ります。必ず濡らし、しっかりと拭ききれるようにします。
- 紙やすり・鉄鋼ヤスリ・・・ネックの接合部の調整に使います。
各工具は一般的なホームセンターで販売されているものと同じものです。