塗装の方法
塗装の種類
指板の塗装は簡単から順に、オイルフィニッシュ→ウレタンニス(刷毛塗り)→スプレー缶(クリア)→サンディング+クリア(スプレー缶)→スプレーガン塗装 と分けられます。
強度や防汚性も右に行くにつれ強くなります。
オイルフィニッシュは、サラサラな肌触りで木の質感が残り手軽なところがいいのですが汚れが残りやすくなります。演奏後はこまめに拭いてあげたりすればきれいな状態を保てますし、汚れが落ちない場合は部分的にでもサンドペーパーで磨きオイルを塗り直してあげれば綺麗になります。
ウレタンニスはどのホームセンターでも手に入る手軽な塗装です。防汚性も高く手軽な反面、綺麗に仕上げるにはそれなりにコツが必要です。綺麗に仕上げるには薄く均一に塗ることが必要です。
スプレー缶(クリア)も、塗るだけならかんたんですが綺麗に仕上げるのはある程度難しさがあります。まず素地をいかに綺麗に仕上げるかが重要です。また、薄く均一に何度も研磨、塗り重ねをする必要があります。
サンディング+クリア(スプレー缶)は塗面に肉厚感が出るため、市販ギターに近い仕上がりになります。
これも素地研磨を丁寧に行い、サンディングも薄く2~3回研磨と塗り重ねをし、クリアも同様に研磨と塗り重ねをしていきます。塗装→乾燥→研磨→塗装と繰り返すので、自宅でやろうとすると2~3週間以上、1ヶ月以上かかることもあると思ってください。
塗装の手順
まずは素地研磨といい、ネックの木部を#180~#320番ほどの紙やすりで磨き、機械加工のキズを消してあげます。(省いても構いませんが、塗装すると切削キズが浮かびあがり目立つ場合があります。)
キットは機械加工が終わった段階ですので、機械の削り跡が残っています。特に木口はキズが残りやすく、ここをいかにきれいに磨いてあげるかが仕上がりの美しさを左右します。
木部全体に#180番で均一に磨き、次に#240番のペーパーで#180番のキズを消し、次に#360で#240のキズを消し、、、としていきます。前の番手のキズをしっかり無くしていくと綺麗になります。
最初はどれがキズなのか、前の番手のキズの確認など難しいかもしれませんが、蛍光灯の下でみたり太陽光の下で見たりして木部をよく観察するとわかります。
実際のギター工房等では、爪があたったキズですら見分けて綺麗に仕上げていきます。
オイルフィニッシュの場合はこの素地研磨が終わったらオイルを塗り込みます。この素地の肌触りがそのまま仕上がり時の肌触りに近くなります。
サラサラなネックがよければ#180ほどの荒い番手で終わらせてもいいですし、キュっと吸い付くような肌触りがよければ#400~#600まで磨いてからオイルを塗ってもも構いません。
ウレタンニスの刷毛塗りも手軽です。薄く塗布した後にザラつきを取るために#600や#800番程のサンドペーパーで磨き、それを2~3回繰り返します。もっと細かく#1000~#1500まで磨き、仕上げにポリッシュ(3M等)で磨くときれいになると思います。いかに薄く塗っていくか、がコツです。
スプレー塗りは均一に薄くぬるのはそこそこ難しく時間もかかりますが一番綺麗に仕上がります。
Youtube等で塗装動画が多く出ているので、参考になるかと思います。
おすすめの塗装方法
以上を読むと塗装は難しいかも、と思うかも知れませんが、最近一番手軽でおすすめなエキゾチックのoilgelをご紹介します。
オイルフィニッシュのように塗り込みますが硬化するオイルで、強度も防汚性も手軽さもありとてもいいです。
5回以上薄く塗り込むことをおすすめします。
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/185490/ (サウンドハウスさんでの販売ページ)
薄く塗り研磨を繰り返し、バフ磨きまですれば鏡面仕上げも出来ないことないくらいです。
ギターワークスさんでも販売しています。(動画もあるので参考にしてみてください)
https://www.guitarworks.jp/fs/guitar/c/b010280#238
絶対にオイルフィニッシュ!やスプレー塗装に挑戦したい!などがないのであれば、oilgelが一番いいですし、失敗も少ないと思います。
塗装にもチャレンジしてみよう!
いろいろ書きましたが、なんでもチャレンジできるのもDIYのいいところです。
ギャラリーではいろんなお客様がいろんな方法で塗装したギターをご覧になれます。
車やバイクの塗料を使う人もいます。愛車と同じ色にしても面白いですね!
壁紙を使ったり、ラップ塗装をしてみたり、絵を書いたり。漆塗りやウッドバーニングなんかも面白いと思います。
DIYにルールはありません、自由に挑戦してみてもいいのではないでしょうか。